2023.08.28【くくる糸満ブログ|くくる日記】
くくる糸満でつながる演劇と未来
くくる糸満では夏休み企画「ハイサイ!くくるラボ!」を8月12〜13日にかけて開催しました。
さまざまなイベントが行われましたが、中でもユニークな取り組みだったのは俳優の西平寿久さんを招いた「劇団ワークショップ」。
今回は、西平さんに「演劇と子どもたちの未来」についてインタビューしました。
子どもたちの個性に寄り添ったレッスン
くくる糸満広報:ワークショップお疲れさまでした。中身を見ていると、はじめの頃は緊張していた子の表情が、みるみるうちに変化していました。どのようなアプローチが、彼らの変化に繋がったのでしょうか?
西平さん:彼の場合、得意なことと苦手なことを意識しながら指導することで、驚くほどの成長が見られました。最初は自己紹介もできなかった彼が、次第に自信をつけ、他のメンバーを引っ張る存在となっていったんです。
くくる糸満広報:その子に合わせた指導が、成長に大きく寄与したんですね。西平さんが運営されている俳優スクール「ゼロワンエンターテイメント」ではどのような指導を意識されているのでしょうか。
西平さん:私たちは「単なる感動だけでなく、実際の生活に影響を与えること」が大切だと考えています。演劇を通じて、問題を浮き彫りにし、解決への一歩を踏み出すきっかけとなることを目指しています。
くくる糸満広報:例えばどのような内容でしょうか。
西平さん: 例えば猫と人間が会話をテーマにした作品を上演しています。「猫好きが集まる演劇」という要素を取り入れ、これまで劇場に足を運んだことのないお客さんが実際に来てくださることがありました。
くくる糸満広報: 特定のテーマを設けて、演劇に関心が低い人々にも注目してもらえるように考えているのですね。他にもどのような取り組みがありますか?
西平さん: ほかには社会的な問題にも取り組んでいます。例えば、介護をテーマにした作品を上演することで、介護に関わる方々をターゲットにしています。成功例として、明らかにお客様の層が変わったことを実感しています。また、家族に認知症の方がいる場合など、難しいテーマにも挑戦しています。私たちの目標は、観客に優しさや温かさを感じてもらい、少しでも解決の手助けができることです。
くくる糸満広報: 演劇が実際の生活に影響を与えるということでしょうか。
西平さん: はい、そうです。単なる感動だけでなく、実際の生活に影響を与えることが大切だと考えています。演劇を通じて、問題を浮き彫りにし、解決への一歩を踏み出すきっかけとなることを目指しています。
くくる糸満広報: 素晴らしい取り組みですね。次に、お子様を対象とした演劇教室について教えていただけますか?
西平さん: 子どもを対象とした演劇教室は人気があります。子どもたちの興味を引くために、金髪のカツラを被り、メイク姿で遊びながら演技を教えたりします。仲良くなって、少しずつ演劇を好きになっていくのです。気付いたら舞台に立っていたという子もいましたよ。
自身を変えるキッカケをくれた演劇
くくる糸満広報:すごく素敵です。今回はワークショップをお手伝いをしていただいた、ゼロワンエンターテイメントの金城睦斗さん(21)と屋良柚葉さん(16)にもお話を聞いてみたいと思います。金城さんが演劇を始めたキッカケを教えてください。
金城さん: 私は3年前に演劇の道に進みました。それまでは野球一筋だったんです。しかし、俳優としての活動に興味を持ち、軽い気持ちでチャレンジしてみることにしました。すると、初めての舞台に立った時の感覚や、新しい仲間との出会いが自分を変えることになりました。
くくる糸満広報:これまで演劇をやってきて、苦労や不安はありましたか。
金城さん: 一番苦労したのは「演劇を始める時」です。周囲の目が気になり、ちょっと恥ずかしいという思いがありました。「ダサいだろうな」「変だろうな」とか。一歩踏み出すのがとても大変でした。でもやってみると、友達はみんなすんなり受け入れてくれたんです。演劇自体は、自分自身を成長させてくれる素晴らしいものだと感じています。
くくる糸満広報:新しいことを始める時って、周囲の目が気になることもありますよね。しかし、金城さんの経験が他の人たちにも勇気を与えることになりそうです。
金城さん: そうなるととてもうれしいです。
くくる糸満広報:屋良さんにも演劇を始めたキッカケを伺います。
屋良さん: 私は以前、友達に対して壁を作ってしゃべってしまうことが多く、自分を表現することに抵抗を感じていました。そんな自分を変えたくて、演劇を始めました。演劇を始めると、徐々に「素」の自分を出せるようになっていると実感しています。
くくる糸満広報:素晴らしい変化ですね。最後に、西平さんの今後の展望についてお聞きしたいです。
西平さん: 私たちは、これからも地域に貢献していきたいと考えています。演劇を通して、さまざまな社会問題の解決や、人々の交流の場としての役割を果たしていきたいですね。
くくる糸満広報: 素晴らしいお話をありがとうございました。お忙しい中、貴重なお時間をいただき、本当にありがとうございました。
西平さんが運営する俳優スクール「ゼロワンエンターテイメント」の詳細はこちら